自己破産について
自己破産とは、お金を借りた人がふくれあがった借金を返済できないことを裁判所に申し立て、申し立てが認められれば借金が帳消になるという救済制度です。
債務者に処分可能な財産があれば、それを債権者に公平に分配し、残りの借金は免除されます。自己破産後に得た収入や財産については、弁済の義務はなく、自由となります。
このように自己破産は人生を新しく出発できるようにと考えられた制度なのです。
自己破産の誤解
自己破産だけはしたくないと、一般的にマイナスのイメージが強く、様々な誤解が生じているのではないでしょうか。また、ここ数年自己破産の相談者も増え、今では特別なものではないのかもしれません。下記は全て誤解ですので理解しておきましょう。
○一生借金ができなくなる
一般的には7~10年再びクレジットやローンの利用が可能になると言われています。実際には各会社によって審査基準が異なるため、7~10年経過後も利用できない場合や、もっと早くにできる場合も十分にあります。
○家族や親戚等にに取立てが行く
金融庁のガイドラインによって禁止されているので、保証人に立てられていない限り取立てが行く事はありません。
○家財道具を差し押さえられる
非常に高価でないものでない限り差し押さえられる事はありません。最低限生活に必要なものは差し押さえられません。合計で99万円以下の財産も差押えの対象外となります。
○引越しや旅行ができなくなる
自己破産には2種類あり、不動産や株などのある程度の価値のある財産を持っていない場合の、同時廃止事件ではいつでも引越すことができます。
一方、不動産や株式などの財産を保有している場合は破産管財人事件となり、破産の手続きが終わるまでは、裁判所の許可がないと、引越しや長期の旅行に行くことはできません。
○選挙権を失う
国民の当然の権利であるような公民権等は失う事はありません。
○給料が全て取り上げられる
差し押さえできるのは給料の4分の1までであり、退職金も同様です。
○戸籍や住民票に記載される
破産者名簿という、本籍地の市区町村役場で管理されるものには記載されますが、戸籍や住民票に破産した情報が記載されることはありません。
○失業保険・生活保護・年金がもらえなくなる
年金・生活保護費・失業保険等は自己破産後も同じように受け取って生活することが出来ます。
自己破産のメリットとデメリット
メリット
- 手続き後は債権者が債務者に請求をする事ができなくなる。
- 法的に借金が全てなくなる。
- 必要最低限の財産は残してもよい。
デメリット
- ブラックリスト入りするため、一定期間(5~7年前後)は借り入れができなくなる 。
- 家や高価な財産は全て現金化され債権者に分配されます。
- 一定の期間、いくつかの職業に就けなくなります。